システム開発コラム集

システム開発コラム集

Aceessでのシステム開発に関するコラム集です。

担当者の退職でブラックボックス化した「野良Access」を安全に引き継ぐチェックリスト

多くの中小企業で重宝されているMicrosoft Access(アクセス)ですが、その手軽さゆえに発生しやすいのが「システムの属人化(野良Access化)」という問題です。

「Accessで便利なシステムを作ってくれた優秀な担当者が、来月退職することになった」
「前任者が独自に作ったAccessシステムがあるが、中身がどうなっているか誰も分からず、エラーが出るたびに業務が止まって怯えている」

このように、開発者が不在になり、設計図(ドキュメント)もないまま現場で使われ続けている「ブラックボックス化したAccessシステム」は、企業の継続的な運用における大きな爆弾となります。

もしそのまま放置してある日突然システムが完全に動かなくなってしまったら、これまでの業務データが失われるだけでなく、日々の事務処理そのものがストップしてしまいます。本記事では、担当者が退職する前、あるいは引き継ぎが不十分な状態からでも、野良Accessを安全に管理下に置き、次世代へ引き継ぐための具体的なチェックリストを公開します。

ブラックボックス化を解消する「4つの引き継ぎチェックリスト」

前任者がいるうちに(あるいは社内で調査を始める際に)、最低限以下の4つのポイントを確認・整理しておきましょう。

チェック1:ファイルの「保管場所」と「構成」をすべて洗い出す

野良Accessの多くは、個人のパソコンのデスクトップや、共有サーバーの分かりにくい階層に散らばっています。まずはシステム全体の「地図」を作りましょう。

  • メインで動いているAccessファイル(.mdb または .accdb)の正確な保存場所
  • 画面(フロントエンド)とデータ(バックエンド)が**「分離設計」**されているかどうかの確認
  • システムが自動で書き出すファイルや、読み込んでいる外部Excel・CSVファイルの有無と保存先

チェック2:「リンクテーブル」の接続先(データの根っこ)を確認する

Accessを開いて「テーブル」の一覧を見た際、アイコンの左側に「矢印(青い矢印など)」がついているものは、別の場所にあるデータと繋がっている「リンクテーブル」です。

このリンク先が「前任者の個人PCのCドライブ」などになっていた場合、そのPCを処分・初期化した瞬間にシステム全体が二度と動かなくなります。共有サーバーのパスになっているか、あるいはSQL Serverなどの外部データベースを指しているか、接続先を必ず控えておきましょう。

チェック3:プログラム(VBA)に「パスワード」がかかっていないか確認する

不具合の修正や機能変更を行う際、Accessの内部プログラム(VBA画面)を開く必要があります。しかし、前任者が親切心やセキュリティ目的で「VBAプロジェクトのパスワード」を設定しているケースが多々あります。

退職後にこのパスワードが分からないと、プロの修理業者であっても内部コードの修正が極めて困難になります。「開発環境を開くためのパスワードが設定されているか」、されているなら「その文字列は何か」を確実に聞き出しておいてください。

チェック4:業務上の「例外処理」や隠れたマクロをヒアリングする

仕様書がない野良Accessの場合、「年に1回の決算処理のときだけ、このボタンを押さなければならない」「エラーが出たら、一度ファイルを閉じてやり直すのがルール」といった、現場の人間しか知らない暗黙のルール(運用マクロ)が隠れていることがほとんどです。画面を見ながら、普段どのような手順で操作しているのかを動画で録画しておくか、メモに残してもらいましょう。

もし「すでに担当者が辞めてしまった後」はどうすればいい?

「もう前任者は退職してしまい、連絡も取れない」「今まさにエラーが出ていて困っている」という場合でも、諦める必要はありません。

Accessは、市販の暗号化されたシステムとは異なり、専門知識を持つ開発会社が見れば、内部のテーブル構造、クエリの連動性、VBAのプログラムコードを高い確率で読み解くことができます。ブラックボックスを解析し、プログラムのバグを修正したり、誰もがメンテナンスしやすい綺麗なシステム構造へと「リプレイス(再構築)」したりすることが可能です。

属人化の不安から解放され、安心できる業務環境へ

「担当者が辞めたら動かなくなるかもしれない」という不安を抱えながら毎日業務を行うのは、精神的にも経営的にも大きなリスクです。現状のファイルを一度正しく棚卸しし、適切なプロの手でドキュメント化や保守体制を整えることで、Accessシステムは「野良」から「企業の強力な資産」へと生まれ変わります。

「社内にあるAccessシステムの中身を一度調査・解析してほしい」
「前任者が作ったシステムの不具合修正や、今後の保守にいくらかかるか知りたい」

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