システム開発コラム集
Aceessでのシステム開発に関するコラム集です。
165.Accessで作った業務システムを他部門に展開するためのステップガイド
Accessでのシステム開発を全社展開する際は、以下のステップで計画的に進めるのがおすすめです。
1. 現在のシステムを棚卸しする
最初に、Accessで開発した業務システムの目的、機能、対象データを整理します。
「どの業務を効率化しているか?」「部門固有の仕様がどこにあるか?」を明確にしておくことで、展開時の調整がしやすくなります。
2. 対象部門の業務フローをヒアリングする
展開先の部門での業務手順や管理方法をヒアリングし、元のシステムとどこが共通で、どこが異なるのかを把握します。
この時点で、Accessでの開発がそのまま展開できるか、カスタマイズが必要かが見えてきます。
3. システムの共通化と分離の方針を決める
共通化できる機能(顧客マスタ、商品マスタなど)と、部門ごとに分けるべき機能(入力項目、帳票レイアウトなど)を整理し、Accessシステムの構造を調整します。
これにより、運用しやすく、保守もしやすい設計になります。
4. データベースの共有・接続環境を整備する
複数部門で同時利用する場合、Accessのバックエンド(データ)とフロントエンド(画面・機能)を分割し、共有環境(社内ファイルサーバやSQL Server)を準備します。
Accessでのシステム開発において、この分割設計は展開時の安定運用のカギになります。
5. 部門別のカスタマイズとテストを行う
必要に応じて、各部門用の画面や帳票をカスタマイズし、実際の業務データで試験運用を実施します。
Accessはカスタマイズ性が高いため、現場の声に合わせた調整がしやすいのも利点です。
6. 操作説明・マニュアル整備を行う
新しい部門に導入する際には、操作手順書やショートトレーニングを実施して、不安を取り除くことが重要です。
特にAccessに不慣れな社員が多い場合は、画面の説明やエラー時の対応をわかりやすくまとめておくと安心です。
7. 全体での運用ルールを策定する
展開後は、システムの使用ルール、更新手順、データ入力のタイミングなどを明文化して、社内での共通運用ルールを定めます。
これはAccessでのシステム開発を「属人化」させず、全社で活用するために欠かせないステップです。