システム開発コラム集
Aceessでのシステム開発に関するコラム集です。
179.Accessでのシステム開発現場のリアル:システム開発の現場で使われる便利ツールとは?
Accessを使ったシステム開発は、中小企業や部門単位の業務にフィットしやすく、今なお多くの現場で利用されています。しかし、開発・保守を効率よく行うためには、Access本体だけで完結させず、外部ツールをうまく活用することが重要です。この記事では、実際のAccess開発現場で活用されている便利ツールや補助的なソフトを紹介しながら、開発をより快適・効率的にする方法をお伝えします。
1. 【Microsoft SQL Server Management Studio(SSMS)】
AccessとSQL Serverを連携させたシステム構成は、性能面・信頼性で大きなメリットがあります。その際、バックエンドの管理にはSQL Server Management Studioが不可欠です。SSMSを使えば、テーブル設計、インデックス管理、トランザクションの監視など、より高度な管理が可能になります。Accessではできない細かなSQL制御もSSMSで補えるため、現場では定番の組み合わせとなっています。
2. 【V-Tools(V-Tools Add-In for VBA)】
V-Toolsは、AccessのVBA開発を効率化するアドインツールで、多くの開発者に愛用されています。コードの整形や色分け、インデントの自動調整、コメント管理など、日々のVBA開発の生産性を大幅に向上させてくれます。また、未使用の変数チェックや、構文エラーの早期発見など、品質管理の面でも心強い味方になります。
3. 【Total Access Analyzer】
Accessシステムのメンテナンスや保守を行ううえで、ドキュメントの自動生成や構造分析が求められることがあります。Total Access Analyzerは、Accessアプリケーション全体の構造を詳細にレポート化できるツールです。依存関係や未使用オブジェクトの可視化、VBAコードの最適化提案など、開発後の品質チェックにも活用できます。複雑なAccessシステムの保守に関わる現場では、重宝されているツールの一つです。
4. 【Git(バージョン管理)+Access用アドイン】
Accessは基本的にバイナリファイル形式ですが、開発チームでの共同作業や変更履歴の管理にはGitが使われています。最近では、Accessファイルをテキスト化してGitで管理できるようにするツール(例:Access Dev Tools)も登場しており、これによりチーム開発の管理精度が向上します。これらの仕組みを導入することで、ソースの変更追跡やマージがしやすくなり、大規模案件にも対応しやすくなります。
5. 【Access To MySQLやAccess ODBC Driver】
既存のAccessシステムから他のデータベースへ移行したいというニーズも高まっています。Access To MySQLなどの変換ツールや、ODBC接続用ドライバを使えば、データを無理なく他システムと連携・移行することができます。クラウド環境との連携を視野に入れた開発には欠かせないツールです。
6. 【Power Automate】
業務自動化の流れの中で、Accessの処理結果をトリガーにして、メール送信やファイル保存などを自動化したいという要望も増えています。MicrosoftのPower Automateを使えば、Accessで処理したデータをSharePointにアップしたり、Teamsへ通知するなど、クラウドと連携した業務フローを構築することができます。手作業の削減や業務の可視化に大きな効果を発揮します。
Access開発の現場では、「Accessだけ」で完結させるのではなく、周辺ツールを柔軟に取り入れながら、効率的でメンテナンス性の高い開発体制を構築していくことが求められています。今回紹介したツールを活用することで、Access開発はより強力な業務システム構築プラットフォームへと進化していくでしょう。