システム開発コラム集

システム開発コラム集

Aceessでのシステム開発に関するコラム集です。

181.Access開発者が語る!システム開発で絶対に避けたいトラブル事例

Accessを使ったシステム開発は、比較的スピーディーに構築でき、社内でも内製しやすいのが特徴です。しかし、その「手軽さ」が裏目に出て、後々トラブルの火種となるケースが少なくありません。今回は、現場のAccess開発者が実際に経験した、Access開発にありがちなトラブル事例と、それを未然に防ぐための対策を紹介します。

【事例1】フォームやクエリが複雑化して誰も触れなくなった
初期段階では少人数で作ったシンプルなシステムも、業務の変化や要望追加でどんどん複雑に…。フォームの中に複数のサブフォーム、クエリの入れ子、VBAで条件分岐の嵐──気づけば誰も修正できない“ブラックボックス”になっていたという事例です。

対策:

モジュールを機能別に整理する

クエリの再利用や命名ルールを徹底する

フォームや処理の構造を定期的にドキュメント化しておく

保守性を意識した開発が不可欠です。

【事例2】同時アクセスでファイルが破損した
Accessは基本的にローカルファイルベースのため、ネットワーク共有を前提とした多数の同時アクセスに弱い側面があります。特に複数人が同時に更新・保存を繰り返した結果、ファイルが破損し復旧できなくなったという深刻なトラブルも発生します。

対策:

フロントエンド/バックエンド分離(FE/BE分割)を徹底する

同時編集が多いシステムはSQL Server連携に切り替える

自動バックアップ機能を組み込む or バッチ処理で定期退避

【事例3】担当者退職でノウハウが消滅
Accessシステムを1人の担当者が内製し、そのまま属人化。引き継ぎ資料も不十分なまま退職され、残されたメンバーでは改修も使い方もわからず“使われないシステム”になってしまったという話はよくあります。

対策:

VBAやクエリにコメントを残す

操作マニュアル・業務フロー図を社内共有する

ドキュメント自動生成ツール(Total Access Analyzerなど)を活用する

属人化の防止は、初期設計段階からの工夫で大きく変わります。

【事例4】Accessのバージョン違いで動作不良
開発者のPCでは問題なく動いていたのに、ユーザーの環境ではエラー続出。原因はOfficeバージョンやビット数(32bit/64bit)の違い。特にVBAでAPIを使っていた場合、ビット数によって書き方が変わるため、予期せぬ動作不良につながります。

対策:

利用環境(OS・Officeのバージョン)を事前に確認・統一する

VBAではDeclare文を64bit対応にする(#If VBA7 Then構文など)

コンパイルエラーが出ないよう配布前にすべての環境で検証する

【事例5】セキュリティ対策不足で情報漏えいの危機
社内向けの簡易ツールという意識で、ログイン認証やアクセス権限設定がなく、PCの共有やメール送信をきっかけに、意図しないユーザーがデータを閲覧できてしまったケースもあります。

対策:

パスワードによるログイン認証機能を組み込む

ユーザーID別のアクセス制御を行う

個人情報は暗号化 or 別データベースに隔離して保存する

Accessは強力で柔軟なツールですが、運用まで考慮した設計・管理をしないと、便利さが仇となるリスクをはらんでいます。シンプルな開発でも「設計・保守・セキュリティ」を意識した構築を心がけ、将来のトラブルを未然に防ぐことが重要です。


 

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