システム開発コラム集

Aceessでのシステム開発に関するコラム集です。
212.初めてのAccess開発:まず覚えたい3つの基本操作
フォーム・テーブル・クエリの基礎を、シンプルな言葉で説明します。
Access(アクセス)は、Microsoftが提供するデータベースソフトです。
「システム開発」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、Accessなら特別なプログラミング知識がなくても、自分で業務管理システムを作ることができます。
ここでは、Accessを初めて使う人が最初に覚えるべき3つの基本操作──テーブル・クエリ・フォーム──について、できるだけやさしく説明します。
テーブル:データを入れる“箱”を作る
Accessの基本となるのが「テーブル」です。
テーブルは、情報を整理して保存するための“箱”のようなものです。
たとえば顧客情報を扱う場合、次のような項目を作ります。
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顧客ID
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名前
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住所
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電話番号
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メールアドレス
Excelの表に似ていますが、テーブルのすごいところは「項目の意味」を明確に決められることです。
たとえば電話番号は“文字列”として、購入日なら“日付”として登録できます。
このおかげで、データの重複や入力ミスを減らせます。
Accessを使うと、複数のテーブルを作り、それぞれを関連づける(リレーションシップを設定する)ことも可能です。
顧客テーブルと注文テーブルを結びつけることで、「このお客様はどの商品を注文したのか」を簡単に追跡できます。
クエリ:必要な情報だけを取り出す
データを保存しただけでは、Accessの本当の便利さはわかりません。
次に使うのが「クエリ」です。
クエリは、“質問”をして必要な情報だけを取り出す仕組みです。
たとえば次のような操作が簡単にできます。
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東京都に住む顧客だけを表示したい
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直近1か月に購入のあった顧客を抽出したい
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特定の商品が売れた回数を集計したい
クエリを使えば、膨大なデータの中から欲しい情報を数秒で取り出せます。
Excelでフィルターや関数を駆使して行っていた作業が、Accessではボタンひとつで完結することもあります。
クエリには、単に抽出するだけでなく、データを追加・削除・更新するためのものもあります。
Accessを使いこなすうえで、クエリを理解することはとても大切です。
フォーム:見やすく・使いやすく入力する
最後に覚えておきたいのが「フォーム」です。
フォームは、データを入力したり、閲覧したりするための画面のことです。
Accessのフォームを使うと、テーブルを直接開かなくても、見やすい入力画面から操作できます。
たとえば、顧客登録フォームを作って「名前」「住所」「電話番号」を入力すれば、その内容が自動的にテーブルへ保存されます。
フォームのボタンに機能をつけて、「検索」や「印刷」をワンクリックで実行することも可能です。
入力ミスを防ぐために、選択肢をプルダウン形式にするなど、使う人にやさしい設計ができます。
Accessのフォームをうまく使うことで、社内の誰でも簡単にデータを扱えるようになります。
特に中小企業では、パソコン操作に不慣れなスタッフでも使いやすいシステムを作れる点が大きなメリットです。
Access開発を始める第一歩
Accessの開発は、最初にこの3つ──テーブル・クエリ・フォーム──を理解すれば大きく前進します。
データを「入れる」テーブル、必要な情報を「探す」クエリ、そして人が「操作する」フォーム。
この流れを意識して作ることで、自社業務にぴったり合った管理システムが完成します。
最初は小さなデータベースから始めてみましょう。
顧客名簿や在庫管理など、身近なテーマで試していくうちに、Accessの便利さと可能性が自然に見えてきます。

