システム開発コラム集
Aceessでのシステム開発に関するコラム集です。
152.Accessでの開発におけるテスト工程の重要性と実施ポイント
Accessでのシステム開発は、スピード感を持って業務に合った仕組みを構築できるのが強みです。特に中小企業にとっては、コストを抑えつつ現場にフィットした業務システムを作れるという点で、Access開発は非常に有効です。
しかし、Accessでの開発に限らず、どんなシステム開発においても「テスト工程」は欠かせない重要なステップです。テストをおろそかにすると、「納品後にエラーが多発する」「入力ミスでデータが壊れてしまう」など、業務に大きな支障が出る可能性があります。
Accessで開発されたシステムは、使いやすく柔軟である反面、ユーザー自身が簡単に操作や変更ができるため、テストを通じて安定性と操作性をしっかり検証する必要があります。
まず大切なのは、テストを行う「計画」を立てることです。
Accessでのシステム開発では、以下のようなテスト項目を事前に整理しておくと安心です。
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入力フォームは正しく動作するか
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不正な値が入力されたときにエラーが出るか
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保存されたデータが正しく一覧に表示されるか
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帳票の出力内容にミスがないか
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複数のユーザーが使っても問題が起きないか
このような観点で事前にテスト項目を洗い出し、チェックリストを作っておくと、抜けや漏れが防げます。
Accessでのシステム開発では、フォームやクエリ、マクロ、VBAなど複数の構成要素があります。ひとつの処理が想定通りに動作しても、それが他の機能と連携したときに不具合を起こすケースもあるため、単体テスト → 結合テスト → ユーザーテストという流れで段階的に確認していくのが理想です。
また、Access開発において特に重要なのが、「実際の利用シーンを想定したテスト」です。
たとえば、現場で使う担当者が間違って数字の代わりに文字を入力したらどうなるか。印刷時にレイアウトが崩れないか。締め日の前後で集計結果が合っているか。こうした現実的なケースを取り上げながらテストを行うことで、より品質の高いシステムを提供できます。
Accessでの開発を外部の業者に依頼する場合でも、テストは“丸投げ”せず、社内で実際に触ってみて「違和感がないか」「現場の流れに合っているか」をチェックすることが大切です。開発会社とのやりとりでも、「テスト項目はどうなっていますか?」「ユーザー視点のテストも含まれていますか?」と確認しておくことで、完成後のトラブルを減らすことができます。
Accessでのシステム開発は、導入しやすく現場の業務改善に役立つ反面、しっかりとテストを行わないと使いにくいシステムになってしまうリスクもあります。
テスト工程をしっかりと計画・実施することで、業務にフィットし、安心して使い続けられるAccessシステムを実現することができます。
Access開発の検討を進めている中小企業の担当者の方は、納品前のテストを軽視せず、「自分たちの仕事に合った動作をするかどうか」を見極める視点を持つことが、成功の鍵になります。