システム開発コラム集
Aceessでのシステム開発に関するコラム集です。
154.Accessでのシステム開発に向いている業務・向かない業務とは?実例で解説
「Accessでの開発は気になるけれど、うちの業務に本当に合っているのか…?」そんな悩みを持つ中小企業のシステム担当者の方へ。Accessでのシステム開発に向いている業務・向かない業務を、実際の活用例を交えてわかりやすくご紹介します。
Accessでのシステム開発を検討する中で、最もよく聞かれるのが「うちの業務に向いているのかどうか」という質問です。Accessは柔軟な開発環境を提供しますが、すべての業務に適しているわけではありません。
向き・不向きを正しく理解することが、失敗しない開発への第一歩です。
Accessでの開発に向いている業務の共通点は、「定型的で中規模までの業務」「社内で完結するデータ管理」「複雑すぎない処理フロー」です。たとえば以下のような業務では、Accessでのシステム開発が特に効果を発揮します。
- 販売管理や受発注管理:取引先ごとに受注内容を記録し、集計や請求書の発行までを一元化。Excelでは煩雑になりやすい処理を、安定した仕組みにできます。
- 在庫管理:拠点が1〜2カ所程度の規模なら、Accessで十分対応可能。入出庫の履歴を残しつつ、在庫数を自動で更新できます。
- 顧客管理(CRM):顧客情報や対応履歴を登録し、検索・抽出・分析まで行えるシステムを構築できます。シンプルな構成ならクラウドCRMよりも柔軟で導入も手軽です。
- 社内申請管理(備品申請・休暇申請など):フォームとテーブルで簡易的なワークフローを構築でき、紙ベースの申請をデジタル化できます。
一方で、Accessでのシステム開発に向かない業務もあります。
主に以下のようなケースでは、Access単独での運用はおすすめできません。
- 拠点が全国に分かれている、同時アクセスが多数:複数拠点で同時に大人数がアクセスするような業務は、ネットワークの負荷やデータ破損のリスクが高くなります。
- リアルタイム性が強く求められる業務(例:在庫が秒単位で動く物流)では、Accessの処理速度では対応しきれない場面があります。
- セキュリティ要件が厳しい業務(例:マイナンバーや機密性の高いデータ管理)は、Access単体では不安が残るため、他のシステムと連携または別の仕組みが必要になります。
- スマホやタブレットからの入力が必須なケースも、Accessだけでは難しいため、Webベースのシステムの方が向いています。
Accessでの開発は、要件がシンプルなほど真価を発揮します。中小企業の業務改善には、無理のない規模で始められるAccessでのシステム開発が非常に有効です。
「うちの業務でもAccessでシステム化できるのか?」と迷われたら、まずは一部の業務をスモールスタートで構築し、運用しながら判断するという方法もおすすめです。無理なく始めて、必要に応じて機能を追加できるのが、Accessの強みでもあります。