システム開発コラム集
Aceessでのシステム開発に関するコラム集です。
176.Accessでのシステム開発、パフォーマンスを劇的に改善するテクニック集
Microsoft Accessは手軽に業務用システムを開発できる一方で、データ量の増加やユーザー数の増加に伴い、動作が遅くなるケースがよくあります。業務効率を落とさないためにはパフォーマンスの最適化が不可欠です。この記事では、Accessでのシステム開発において効果的なパフォーマンス改善テクニックを具体的に紹介します。
1. テーブル設計の見直しとインデックス設定
パフォーマンス向上の基本はテーブル設計です。データの正規化で無駄な重複を排除しつつ、処理速度を考慮して必要に応じ非正規化も検討しましょう。特に検索や結合で頻繁に使うフィールドにはインデックスを付けることが重要です。適切なインデックスがあれば、クエリの検索速度が大幅に改善します。ただし、インデックスは多すぎると逆に更新処理を遅くするのでバランスが必要です。
2. クエリの最適化
複雑なクエリはパフォーマンス低下の原因になります。大きなテーブルから不要なフィールドを除外し、必要なデータだけを抽出するようにしましょう。サブクエリを多用する場合は一度クエリを分割し、中間結果を保存することで負荷を軽減できます。パラメータクエリも使いすぎると速度が落ちることがあるため、使い方に注意が必要です。
3. フォームとレポートの工夫
大量データを一度にフォームやレポートに読み込むと動作が重くなります。表示件数を制限したり、ページング機能を実装して必要な分だけ表示する工夫が必要です。また、連結コントロールの数を減らし、不要なコントロールは非表示にしておくと描画速度が向上します。
4. VBAコードの効率化
VBAでループ処理を多用する場合は、処理の最適化が必須です。可能な限り処理をまとめ、DoEventsの多用を避けましょう。ScreenUpdatingやAutoKeysの制御もパフォーマンス向上に効果的です。定期的に不要なオブジェクトを解放し、メモリリークを防ぐことも重要です。
5. データの分割とコンパクト化
Accessファイルが肥大化すると動作が遅くなるため、データベースの分割を検討します。フロントエンド(フォーム・クエリ等)とバックエンド(テーブル)を分けることで、ネットワーク負荷を軽減しパフォーマンスが改善します。また、「データベースのコンパクトと修復」機能を定期的に実行し、ファイルサイズの最適化と破損防止を行いましょう。
6. ネットワーク環境の改善
Accessはファイル共有型のため、ネットワーク速度や安定性がパフォーマンスに直結します。可能な限り高速で安定したLAN環境を整備し、Wi-Fiより有線接続を推奨します。ネットワーク遅延や切断はファイル破損の原因にもなるため注意が必要です。
7. 不要オブジェクトの削除と最適化
使っていないフォームやクエリ、モジュールはデータベースから削除しましょう。余分なオブジェクトが多いとファイルが肥大化し、動作が重くなります。定期的に整理し、メンテナンスを怠らないことが快適なパフォーマンス維持につながります。
Microsoft Accessは工夫次第で十分なパフォーマンスが得られます。今回紹介したテクニックを適用し、日々のメンテナンスを欠かさないことで、快適かつ効率的なシステム運用が可能になるでしょう。